
こんにちは、ふくちゃんです。
この記事では、普段メーカーの資材調達部門で働いている私が、資材調達部門のデイリー業務や、やりがいについて説明していきます。
メーカーでの仕事や資材調達部門での仕事に興味がある方は、参考にしていただけると嬉しいです!
資材調達部門のデイリー業務とやりがい【現役バイヤーが解説】
メーカーの資材調達部門での役割については、以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。
この記事では、この役割に基づいて資材調達部門では、毎日どのような仕事をしているのか?、また仕事を通したやりがいはあるのか?について説明していきます。
資材調達部門のデイリー業務

まずは、資材調達部門のデイリー業務について、どんなものがあるか解説していきます。
資材調達部門の主な業務は、
・注文前の価格交渉
・調達品の注文業務
・調達品の納期確認
・調達品に不良が発生した時の対応
・取引先や社内とのコミュニケーション
などがあります。
資材調達部門の大きな役割はQCDの管理ですので、やはり品質・コスト・納期に関する業務が大半を占めていますね。
各業務の詳細について、説明します。
注文前の価格交渉
まずは、調達品を実際に購入する前に行う調達先との価格交渉です。
メーカーが製品を作る際に、原価低減をすることができれば、会社に大きな利益をもたらすことになります。
そのため、資材調達部門は様々な手法を用いて調達先から品質のいいものを安く仕入れられないか、交渉します。
価格交渉は調達先に対し「ただ安くしてほしい」と要求するだけではありません。
調達品の市場状況(世界的な価格が高くなっているのか、安くなっているのか)や、まとめて発注できるかどうかなどの情報を集めます。
そして、集めた情報を元に調達先との価格交渉を実施します。
調達品の注文業務
調達先との価格交渉を終え、価格を決定した後、その調達品を実際に注文します。
「注文する」ということは,
調達先との「売買契約を結ぶ」ということです。
そのため、毎日注文業務をする際には、注文内容に誤りがないか、確認することが必要です。
具体的な注意点は以下の通りです。
・注文先はあっているか
・設計の仕様を満たすものであるか
・数量はあっているか
・納期はあっているか
を確認して、注文処理を実施します。
調達品の納期確認
調達品を注文した後には、その製品がきちんと要求した日に納品されるまで納期確認を実施します。
注文した直後は、要求した納期通りに納品してもらえる予定であっても、調達先で設備故障などのトラブルが起これば、納期が遅れてしまいます。
小さなトラブルで納期が遅れることは比較的頻繁にあります。
そのため、トラブルなどが起こった時にすぐに対応できるように、資材調達部門は少なくとも週に1度程度は、注文済みの製品について、納期を確認することが多いです。
注文した調達品が社内に納品された後も、資材調達部門の仕事は終わりません。
調達先から納品してもらった製品が不良品であった場合、社内の品質管理部門・工程部門と相談し、いつまでにどのような処置を実施するのか案出しを行います。
その案をもって資材調達部門は調達先に連絡し、いついつまでに、不良品を修理するか、新しく変わりの部材を入れるよう要求します。
工程部門は不良品は納品されない前提で社内工程を立てているため、不良品の対応は基本的に急ぎのことが多いです。
そのため、タイムリーな対応が必須になります。
取引先や社内とのコミュニケーション
QCDの管理と並んで、資材調達部門の業務の中で結構なウェイトを占めているのはメールや電話で社内外とのコミュニケーションをとることです。
資材調達部門は会社の窓口として、調達先と連絡をとります。
そのため、社内の設計者などからの問い合わせを調達先がまとめて受け、調達先に照会することが多いです。
逆に調達先から照会事項についても、1度資材調達部門で受け、社内の適切な部門に回答を求めます。(もちろん、資材調達部門宛の問い合わせには、自分で回答します。)
以上が、資材調達部門の主なデイリー業務です。
資材調達部門のスケジュール(ある1日の例)

実際に資材調達部門ではデイリー業務をどのようなスケジュールでこなしているのでしょうか?
下に私のある1日の実際のスケジュールを記載しています。
スケジュール例
AM8:30 始業 前日のメールチェック、社内への問い合わせ事項回答
AM10:00 取引先と価格についての打合せ価格交渉を実施
AM11:00 納品した部材に不良発生、現物を確認し、対策を品質管理・工程部門と打合せ
PM12:00 昼食 社内食堂
PM13:00 業務再開 AMに来たメールチェック・返信
PM14:00 翌日の取引先との価格交渉のために、情報収集・資料作成
PM15:00 調達先から、納期が遅延すると連絡あり。工程部門と対応策を協議
PM16:00 注文業務 その日の注文分を一気に片付けます
PM17:00 終業
こんな感じで、1日が流れていきます。社内外とのコミュニケーションが最も多く、重要な業務です。
資材調達部門のやりがい
資材調達部門のやりがいとしては、下の3つが大きいと私は感じています。
・調達先との価格や納期の交渉が成功したときに会社の役に立ったと感じられること
・トラブル等が発生した際に、社内の取りまとめ役となり、解決策を導けること
・自分で業務スケジュールを立て、計画的に仕事を終わらせることができる
交渉の成功
資材調達部門では調達先と価格や納期について交渉する場面が多くあります。
その際に、資材調達部門は社内の設計部門や市場の情報などから、交渉材料を自分で集め、自分で考えて価格交渉をする必要があります。
自ら交渉ストーリーをたて、狙い通りの回答を調達先からもらえた時にはかなり嬉しいです。
また、その交渉結果は自分のメーカーの工程にダイレクトに効いてくるので、会社の役に立っていると感じることができます。
社内の取りまとめ
不良品の発生などのトラブルが起こった時に、社内の各部署と対応策を協議します。
その際に設計部門や品質管理部門、工程部門の意見を取りまとめることが資材調達部門の仕事となります。
大きなトラブルになればなるほど、取りまとめることは大変ですが、トラブルを無事解決できた時は、かなりの達成感を得られます。
計画的な仕事
資材調達部門の仕事は、自分で業務スケジュールを立てられることが多いです。
資材調達部門の仕事は営業部門のように外回りは少なく、むしろ調達先の営業部門がこちらの都合に合わせてきてくれることがほとんどだからです。
自分のスケジュールの中で、社外とのやり取り時間をコントロールすることができるので、予定もたてやすいです。
自分が決めた時間までに決めたことを終わらせれば、定時内に仕事を完了させることができます。
以上が、私が現在も感じている資材調達部門のやりがいです。
まとめ
・資材調達部門のデイリー業務はQCDの管理が中心
・調達先との交渉も自分の案で進められるので、成功したときのやりがいが大きい。
・1日のスケジュールは自分の予定を中心に考えることができる
興味を持った方はぜひ資材調達部門での仕事を検討してみてください。最後まで読んでください、ありがとうございます!
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