【現役資材調達部員が解説】コストダウンの手法2選

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【現役資材調達部員が解説】コストダウンの手法2選

 こんにちは、ふくちゃんです。

資材調達部門の大きな役割の一つに、「調達品を安く買う」ことが挙げられます。

しかし、ただ安く買いたいと思っているだけでは実際に安く買うことはできません。

資材調達部員は様々な手法を使って、調達品を安く買い、会社の損益改善に貢献しています。

この記事では、資材調達部員がどのような手法で調達品を安く買っているのか、紹介していきます。

・資材調達部門の仕事に興味がある
・資材調達部門で働くことになったけど、どんな仕事をするのか不安

といった方は、この記事を読んでみてください!




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【現役資材調達部員が解説】コストダウンの手法2選

 資材調達部門にとって、自社の調達品を安く調達することは、会社の損益に直結する非常に大事な仕事です。

会社が継続して利益を上げるためには、売り上げを増やすことも重要ですが、調達品をどれだけコストダウンできるかも同じくらい重要です。

調達品をコストダウンする方法はたくさんありますが、この記事では代表的な2つの手法について解説していきます。

それは、「競合」「まとめ発注・納品」の2つです。




調達品コストダウン手法① 競合

 最初に紹介するのは「競合」というコストダウン手法です。

競合とは、その名の通り、「価格や納期などの調達条件を競わせる」ことを言います。

競合には2種類あり、調達品を作っているメーカー同士を競合させるメーカ競合と、複数の商社を競合させる商社競合があります。


メーカ競合

 メーカ競合では、同じ機能を果たす別メーカの製品を比較します。

そのため、設計・開発部門との調達品仕様のすり合わせが重要となります。

また、メーカの設備よっては、同じようなものを作っていても納期や品質が全く違うことも考えられますので、価格以外の項目も競合の要素となってきます。


商社競合

 商社競合では、調達する製品は決まっているため、商社の手数料を含めた調達価格や納期・品質面対応の良さなどでの勝負になります。

商社によってはメーカと有利なパートナー契約を結び、同じ製品でも価格差があることも多いです。

特定の製品群に強みをもつ商社を複数社選択肢にもつことができれば、製品によって価格を最安値で調達することが可能です。


競合の具体的な方法は?

 競合を実施するにあたって具体的にどのような方法で進めればよいのでしょうか?

メーカ競合も商社競合も基本的な流れは同じです。

次の4つのステップで競合を進めていきます。

ステップ1:調達品仕様の確認

 まず最初に調達品の仕様(要求スペック)を確認します。

仕様の確認は技術的な知識が必要ですので、設計・開発部門と相談して最終的な要求仕様を決定します。

ステップ2:調達先候補の探索

 調達品のスペックが決まったら、その製品を購入することができる調達先候補を探します。

商社競合をする場合、競合対象となる製品は決まっていることが多い、同じ製品を購入できる商社を複数社探します。

メーカ競合の場合、メーカによって調達品の仕様は異なるため、メーカ品が要求仕様を満たしているか、よく確認します。

競合では、価格や品質、納期などの比較をするため、必ず2社以上の調達先候補が必要です。

これはメーカ競合でも商社競合でも同様になります。

補足:契約書の締結(新規取引先の場合)

 調達先候補としてあたりをつけたメーカや商社が、これまで取引をしたことのない会社であれば、契約書を締結する必要があります。

せっかく安価で調達出来そうな調達先を見つけたものの、契約に時間がかかって納期に間に合わないと元も子もありません。

競合をタイムリーに進めていくためには、早めから契約作業に取り掛かり、その調達先からの購入決定後、すぐに注文できる体制を整えておきます。

競合を実施するメーカや商社が既に取引をしたことのある会社であれば、契約書の締結は基本的には不要です。

ステップ3:相見積

 調達先候補を選定できた後、調達品の見積書を入手します。

相見積とはステップ2で探索した調達先候補各社から見積を入手することを言います。

相見積を入手したらまず、それぞれの会社からの調達価格と納期を必ず確認します。

いくら安く買えても納品されるのが必要な日に間に合わなければ意味がありませんので、納期の長すぎるメーカや商社からは調達できません。

納期に問題がなければ、価格の内容について確認していきます。

相見積を入手する際のポイントとして、調達品の価格がどのような構成で成り立っているかも一緒に記載してもらうよう依頼しましょう。

価格の構成は材料費・加工費・経費に大きく分けられます。

この分類ができれば、何が原因でA社の価格がB社よりも高くなっているのか分析することができるようになります。

ステップ4:発注先の決定

 相見積の内容をしっかりと分析し、価格・納期・品質で優位に立つ調達先を決定します。

決定した調達先に発注することで、競合は完了となります。

1社だけに発注するよりも、調達先を比較することによって、価格面はもちろんのこと、商社やメーカの価格構成といった情報も得ることができるのは競合のメリットです。

競合の大きな目的は調達品の価格を比較することによるコストダウンですが、価格以外の面でも様々な項目を比較できるので、積極的に実施するべき手法です。

また、発注先になれなかった取引先とも関係は切らさないようにしておくことが重要です。

別の調達品において、安価で購入できたり、競合先のトラブル時に代替で発注できたりというメリットもあるため、1つの調達品に対して常に2社以上の調達先候補を持てるよう、心がけましょう。




調達品コストダウン手法② まとめ発注・納品

 調達品をコストダウンする手法の2つ目として、「まとめ発注・納品」を紹介します。

まとめ発注・納品とは、1つの調達先に対し「物量をまとめて発注する・納品時の物量をまとめる」ことです。


まとめ発注

 まとめ発注を行うと、スケールディスカウントが効いて価格が安くなることが多いです。

身近なところで言えば、食材でも「お徳用」で大容量のものの方が小容量のものより安いですよね。

また、調達品によっては、最低購入数量が定められている品目もあり、そのような製品を調達する際にも、まとめ発注を実施します。


まとめ納品

 まとめ納品では、同じ調達先から一度の納品でまとめて調達品を届けてもらいます。

いくつかの納期に分けて調達品を運んでもらうよりも、一度にまとめて運んでもらう方が、トラックなどでの輸送費用が安くなります。

また、メーカでの出荷前の検査も一気にできるので検査の準備にかかる時間が削減されたりします。


まとめ発注・納品の具体的な方法は?

 まとめ発注・納品をするにあたって具体的にどのような方法をとれば良いのでしょうか?

まとめ発注・納品はセットで行われることも多いですが、別々でも機能する手法です。

まとめ発注とまとめ納品では、ポイントが少し異なるため、それぞれに分けて、解説していきます。

まとめ発注ステップ1:対象品の選定

 まとめ発注の第一歩となるのは、まとめ発注できる対象品を選定することです。

全ての調達品について、まとめ発注をできるわけではありません。

これまでの発注実績などを確認して、ある程度の物量をまとめられる対象品を選定しましょう。

まとめ発注ステップ2:物量の確認

 対象品を選定した後に必要となるのは、まとめて発注できる物量を集めることです。

まとめて発注したはいいけど、結局使わずに捨ててしまった。。。となるとコストを下げるどころか、無駄なコストがかかってしまいます。

そのため、まとめ発注をする場合には、確実に使用するあてのある調達品を対象とし、使い切れる物量で発注することが必要です。

まとめ発注の物量を決定するためには、営業部門に自社がどの時期にどんな案件を受注しているのかを確認します。

資材調達部門の私たちは、先々の案件から逆算して、どれくらいの物量であればまとめ発注ができるか、を考えます。

まとめ発注ステップ3:価格交渉

対象品の物量の当てがついたら、いよいよコストダウンのために調達先と交渉を実施します。

交渉にあたり、大事なことは、まとめ発注をすることで、先方にもメリットがあることを伝えることです。

調達先側がまとめて受注できることのメリットとしては、連続して工場を動かせることであったり、1度に大きな売り上げを立てられることであったり、さまざまです。

資材調達部員側の交渉ストーリーとしては、先方のメリットを説明するとともに、メーカでの連続生産によって生産効率がこれだけ上がるはずだから、価格をこれだけ下げてほしいと具体的な数字(%)を提示してみましょう。

仮設でも良いので、具体的な数値目標があれば、交渉もスムーズに進めていくことができます。

反対に具体的な数値目標もなく、先方のメリットも説明しないで「とりあえず価格を下げて欲しい」と要求するだけだと、あまり協力してくれない可能性もあるため、注意が必要です。

まとめ納品ステップ1:対象品の選定

続いてまとめ納品のステップについても説明していきます。

まとめ発注時と異なるのは、同じ調達先からの納品であれば、別品目であってもまとめ納品の対象になり得る、ということです。

まとめ発注は、生産の都合から、原則同じものを一括で発注する必要があります。

一方でまとめ納品の場合は、輸送費削減の観点から考えると、同じ調達先から別々の品目を一便のトラックにまとめてもらってコストダウンすることも可能です。

まとめ納品ステップ2:長期保管の対策

まとめ納品をする場合、本来の必要時期がしばらく先の案件の調達品も、一括で納品してもらうことがあります。

その場合は、自社倉庫で保管することになりますが、保管が長期となると、品質が劣化する恐れがあります。

例えば、鉄製品を長期保管する場合、サビてしまうことがある、などです。

調達品をいざ使用する段階になって、品質不良が発覚すると、再度発注し直しになってしまいますので保管状態の確認と、長期間保管する際の対策は事前に品管部門や倉庫担当者と相談しておきましょう。

先程の鉄製品であれば、防錆剤を製品に塗布するなどが対策になります。

まとめ納品ステップ3:保管場所の確保

 まとめ納品をする際に、品質と並んでネックになるのが保管場所の問題です。

自社の倉庫に余裕があれば問題はないのですが、たくさんの調達品目をまとめ納品にしてしまうと、置き場所がなくなってしまう可能性があります。

外部倉庫を使えば、保管自体は可能ですが、コストがかかるので、まとめ納品を検討する際には、必ず倉庫担当や工程担当と協議し、保管場所を確保するようにしましょう。

まとめ納品ステップ4:価格交渉

 長期保管の対策と保管場所の確保ができたら、調達先と価格交渉を実施します。

まとめ発注と同じく、コストダウンのストーリーを作り、具体的な数値目標をもって交渉に臨みましょう。

1回あたりのトラックの輸送費用は聞けば教えてくれる調査もあると思いますので、まとめ発注時よりも実際のコストダウンメリットに寄せた数値目標で交渉ができることが多いです。

まとめ納品も調達先にとってメリットになることを示して交渉していくことを心がけましょう。






まとめ

 この記事では、資材調達部門で働く私が実際に行っているコストダウンの方法を紹介してきました。

コストダウン手法まとめ・競合にはメーカ競合と商社競合の2種類がある
・競合では、価格だけでなく納期や品質についても比較する
・まとめ発注では、1回に発注する物量を大きくすることで、コストダウンを狙う
・まとめ納品では、納品回数を減らすことで輸送費削減等を狙う
・まとめ発注・納品を行うことで、調達先にもメリットがあることを示して交渉する

 

いかがでしたでしょうか?

これから資材調達部門で働く予定の方は、ぜひ参考にしてみてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。






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