
こんにちは、ふくちゃんです。
資材調達部門で働いていると、様々な調達先とお付き合いをすることになります。
中には、自社の創業当初から付き合いのある会社もあれば、最近になって取引を始めた会社もあります。
資材調達部員の大きな役割として、より安く・より品質の良いものを調達することは重要ですので、既存の調達先だけではなく、時には新しい調達先を見つけてくることも必要です。
今日はそんな「新しい調達先の見つけ方」について解説していきます。
・資材調達部門で働いてみたい方
・資材調達部門で働いているけど、どうやって新しい調達先を見つけるか悩んでいる方
は参考にしてみてください。
どんな時に新しい調達先を探す?

資材調達部門が新しい調達先を探すのには、様々な理由があります。
ここでは、「どんな時に新しい調達先を探す?」のかについて、解説していきます。
新しい調達先を探すケース① 調達先を競合させたい時
現在調達をしている製品について、1社のみからの購入となっている場合、新しい調達先を見つけることで競合させることができます。
競合では価格面を含め、納期や調達先の対応も含め、比較をしていきます。
競合のやり方など、詳細は↓をご覧ください。
競合のために新しい調達先を採用することで安定的な調達環境を築くことができます。
また、調達先側の観点から言えば、これまで独占していた取引に他社が参入してくることになるため、価格面等が改善される可能性があります。
新しい調達先を探すケース② BCPを整備したい時
BCPとはBusiness Continuity Planの略で、日本語だと事業継続計画という意味です。
簡単に言えば、災害が起こった際にどのように自社の事業を継続しておくのか事前に決めておく、ということです。
BCPでは、自社工場の環境だけでなく、調達環境についても考える必要があります。
災害時に自社工場は動かせても材料が調達できなければ、製品は作れないですよね。
調達環境でBCPを整備するには、まず複数社からの調達をしなければなりません。
そのため、1社からの調達になっている製品については、BCP面から考え、新しい調達先を採用する必要があります。
新しい調達先を検討する場合には、既存の調達先とは全く別の場所での生産を行なっている調達先が望ましいです。
せっかく複数調達先をもっていても1つの災害でどちらも稼働できなくなってしまえばBCP対策ができているとは言えません。
既存の調達先が日本国内なら、新しい調達先は海外で検討するなど、調達リスクを分散できる調達先を探しましょう。
新しい調達先を探すケース③ 既存の調達先では対応できない時
自社で新しい製品を作る時には、新しい材料が必要になることがあります。
既存の調達先から新しい材料を調達できれば問題はないですが、仕様によっては既存の調達先では製作できないことがあります。
このような時には、自社の調達したい製品仕様を満たす材料を製作できる、新しい調達先を探す必要があります。
このケースで新しい調達先を採用する場合、新しい材料を新しい調達先から調達することになるので、設計・開発・品質管理などの部門との連携が重要になります。
新しい調達先の見つけ方

ここまで、資材調達部門で働く私たちが、どんな時に新しい調達先を探すのか解説してきました。
ここからは実際にどのようにして新しい調達先を探すのか、について説明していきます。
新しい調達先の見つけ方① ネットで見つける
まず最初は最も手軽に実施できる方法です。
それは、ネットを使って新しい調達先を探す方法です。
ネットで会社のHPを調べると、その会社の生産設備について書いてあるページを見つけることができます。
設備情報があれば、自社の調達したい製品を作れそうな調達先を設備面から探すことができます。
また、HPには問い合わせ先も載っていますので、見積をとってみたい場合は直接問い合わせることができます。
ネットでの新しい調達先の探索はいつでも可能なので便利ですが、注意点もあります。
それは、調べる前段階として自社の調達したい製品の仕様を十分に理解していなければならない、ということです。
要求仕様があやふやなままネットを調べ回っても、見つけた調達先候補が本当に自社の求めるものを作れるのか、判別できません。
良い調達先候補を見つけたと思っても、仕様情報で誤解があれば、結局採用できず、二度手間になってしまう可能性もあります。
そのため、ネットでの探索は設計・開発部門にも協力を仰ぎながら仕様情報をしっかりと頭に入れた状態で実施しましょう。
新しい調達先の見つけ方② 展示会に参加する
世の中には様々なメーカが溢れているので、その全てをネットだけで把握するのは困難です。
そんな時に便利なのが、複数のメーカが集まる展示会です。
展示会では、あるテーマに沿ったメーカを集めている場合も多いため、自社の業種にあった展示会に参加できれば、新しい調達先候補が見つかる可能性が高いです。
展示会の場合、メーカの営業担当とその場でコミュニケーションをとって、その会社の情報を仕入れることができます。
そのため、ネットでの探索だけではわからない会社の雰囲気なども掴むことができます。
ただ展示会は時間が限られていたり、出席している営業担当の数も少なかったりするので、展示会で商談まで一気に進むということはあまりないです。
展示会はあくまで、情報収集の場と割り切り、興味のあるメーカには後日個別で連絡をとってみましょう。
新しい調達先の見つけ方③ 商社を活用する
資材調達部門では直接メーカから調達することもありますが、商社を経由して調達する機会も沢山あります。
商社を利用する際は、メーカ直接取引に比べて、手数料が発生します。
それでも、納期の調整や輸送の最適化など商社の利用には、メリットも多くあります。
商社は会社ごとに得意な分野をもっており、業界知識も豊富です。
そのため、新しい調達先を検討するときは商社に探してもらうのも1つの手です。
ネットや展示会では出会うことのできない調達先を見つけることができるかもしれません。
調達先候補が見つかったらどうする?

ここまで説明してきた方法などをつかって新しい調達先候補を絞れたら、実際にその調達先候補にコンタクトをとります。
調達先候補を採用するまでには大まかに5つのステップがあります。
調達先採用までのステップ① 秘密保持契約の締結
調達先候補が見つかったらまず最初に秘密保持契約を締結しましょう。
調達先の採用検討において、自社の図面や機密情報を調達先候補と共有する場面があります。
図面を調達先候補に渡す前に秘密保持契約を締結しておくことで、それらの情報が漏洩するリスクをなくすことができます。
調達先採用までのステップ② 見積依頼
秘密保持契約の締結が完了したら、自社の要求仕様をもとに、見積依頼を実施します。
要求仕様の整理には、設計・開発部門との連携が必須になります。
また、調達先に見積依頼をする際は、価格だけでなく、納期や最小発注数量などの条件についての情報も必ず入手しましょう。
調達先採用までのステップ③ サンプル品の発注
見積依頼の結果、価格や納期で新しい調達先を採用するメリットが見つかった場合、実際にサンプル品の発注を行います。
サンプル品を確認しておくことで、「データ上は自社の要求仕様を満たしているはずが、実物は自社製品にうまく組み込めない」という事態を防ぐことができます。
サンプル品が納品されたら、設計・開発部門はもちろん、品質管理部門にもチェックをしてもらうようにしましょう。
調達先採用までのステップ④ 品質監査
サンプル品も合格となれば、いよいよ正式採用が近づいてきます。
正式に発注をする前に調達先工場の品質監査を実施しましょう。
設計・開発部門や品質管理部門と一緒に調達先候補の生産ラインに問題がないか確認します。
品質監査で工場を見せてもらえると、実際にどのように生産が行われているのか、理解しやすいので、資材調達部門も同行することをおすすめします。
調達先採用までのステップ⑤ 正式契約後、発注
品質監査を合格したら、調達先候補は新たな調達先となります。
正式な契約を結んで支払いの条件や製品の保証条件等を確定しましょう
契約の締結には時間を要することが多いので、採用の可能性が高まってきた時点で他のステップと並行で進めていきましょう。
まとめ
この記事では、資材調達部員がどのように新しい調達先を見つけ、採用するのか、について解説してきました。
いかがだったでしょうか?
資材調達部門で働いている人、資材調達部門での仕事に興味がある人はぜひ参考にしてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
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